DonoCronicle

DIE WAHRHEIT IST IRGENDWO DA DRAUẞEN

弘法筆を選ばず

最近、身の回りではあまり聞くこともなくなったこのことわざだけど、弘法大師ほどの超絶達人だから、筆を選ばなくても良いという境地なんだよね。素人か、せいぜい素人に毛が生えたくらいの玄人は、充分に良い道具を選んで、常に手入れをして万全の状態にしておかないと、やはり立派な仕事はできないだろう、と経験に照らして思う。

ただし、下手すると道具に自分が合わせて特化してしまって、道具が変わると調子を崩しちゃったりする。いつもの感覚からずれてしまうからだ。超絶達人は、そういった域を超えていて、そのずれをすぐさま修正できるのか、そもそもずれをキャンセルできるのか、そのへんは超絶達人になったことがないからよく解らない。でも、いずれその域に達するには、どこかで「悟りを得る」みたいな大きな転換、個人的パラダイムシフトが必要とされるんだろうなあ、とぼんやり思う。