DonoCronicle

DIE WAHRHEIT IST IRGENDWO DA DRAUẞEN

蔓延防止

これはもう、まえにも書いたかもしれないが、「まん延」みたいな中途半端な書き方は、いかがなものかと云いたい。

常用漢字じゃなくたって、これはきちんと「蔓延」と書くべきではないか。常用漢字みたいな中途半端なものに囚われて、“美しい日本語”の本質を見失っているとしか思えないではないか。

「ら致」とか「だ捕」とか「り災」とか「ほ場」とか「こ線橋」とか、見てるこっちが恥ずかしくなってくる。字面が間抜けだ。一見して判りにくい。ひらがな混じりの文章の中に入ると、かえって可読性が下がる。小学校一年生の教科書ならまだ知らず、大のおとなのすることか。天下の新聞や行政文書のすることか。「拉致」「拿捕」「罹災」「圃場」「跨線橋」って堂々と書けば良いではないか。書けなくたって、今時どうせ手書きなんかしない。インプット・メソッドが変換してくれる。読めないと批判されるのなら、ふりがなを振れば良いではないか。ここで出会ったのを機会に覚えれば良いではないか。一生涯勉強していくのが人間の生というものではないか。

とまあ、「まん延防止策」なんて文字が、恥ずかしげもなく、何の臆面もなく踊っているのを見るたびに、憤懣やる方なく思うのだった。こういう恥ずかしい用語使用法の蔓延を防止したい。

料亭の名前とか人名とか、固有名詞にあえて使っているのは、洒落ていて良いと思うけどね。