DonoCronicle

DIE WAHRHEIT IST IRGENDWO DA DRAUẞEN

カモメとウミネコ

「カモメだ!」という発言に対する「ウミネコだよ」というツッコミ。これまで日本人の間で幾度となく繰り返され、ときには不和をもたらしてきたに違いない会話だ。

カモメには、二通りの意味がある。カモメ属カモメという種を表す種名(標準和名)としてのカモメと、大きくカモメの仲間(カモメ科くらいか)を総称するカモメだ。「カモメだ!」といった人は総称としてのカモメの意味で使ったのであり、「ウミネコだよ」と返した人は種名レベルでの話をしていて、会話がすれ違っている。ツッコミを入れた方は、「オレはカモメとウミネコの違いが判るぜ」とやや自慢混じりに発言したに違いないが、最初に言った人はほとんどの場合がカモメ類の総称で使っているはずなので、小さなストレスがそこに発生する。

カモメに限らず、この手の会話のすれ違いが日常的に頻発していて、多くの不幸に繋がっているのだ。くわばらくわばら。

ちなみに、「カモメだ!」と表記したのでは、どちらかというと種のほうのカモメとして発言されたと解釈される可能性が高い。動物の名前をカタカナで書くのは、理科的だからだ。なので、この場合は「鴎だ!」と書くのが適切かもしれない。振り仮名ないと読めないかもだけど。