DonoCronicle

DIE WAHRHEIT IST IRGENDWO DA DRAUẞEN

「伯父さん・伯母さん」と「叔父さん・叔母さん」

小学生のときだったかと思う。「おじ」に伯父と叔父という漢字の書き分けがあるのを知ったとき、これは父方の「おじ」か母方の「おじ」かで書き分けているに違いない、と直感で閃いた。

小学生のぼくの直感は見事に間違っていたわけだが、同じように思う人もけっこう多かったんじゃないか、と予想する。実際には、父方母方関係なく、自分の親の兄にあたるか弟にあたるかで書き分けているわけだけど、そちらの違いよりも、父方か母方かの違いのほうが、自分にとっては大きな違いだ、というのが今の日本人のリアルじゃないかと思う。

年上か年下かで漢字を書き分けるのは、いかにも儒教的世界っぽい。漢字が違うんだから、中国では発音も違うわけだ。日本語では発音は違わなくて字だけ当てているので、日本においては、もともとそういう区別はしていなかった、ということになるだろうか。それどころか、親戚であるかどうか関係なく、ひろく中年の人々を指す言葉も「おじさん・おばさん」なのだから、そもそも親戚かどうかもあまり重要じゃなかったのかもしれない。古から日本では、ほとんど区別せずに「おじさん・おばさん」的にひとくくりだったのだろうか。それとも、古の日本ではもっと細かく呼び名が分かれていたのだろうか。そのあたりはよく知らないけど、調べたら面白そうだ。

ちなみに、ぼくには、父方のおじには伯父しかおらず、母方のおじには叔父しかいない。(音読すると何を言ってるのかさっぱり判らない)