DonoCronicle

DIE WAHRHEIT IST IRGENDWO DA DRAUẞEN

「ひゃくとうばん」の謎

幼少のころに勘違いしていたシリーズ、第2弾。

パトカー(警察)を呼ぶ電話番号は「110」。解る。親や祖母はこれを「ひゃくとうばん」と言う。これがいまいち理解できない。

「ひゃくとうばん」を「100当番」だと思ったのだ。だから、「ひゃくとうばん」じゃなくて「ひゃくじゅうとうばん」じゃないか、というのが、幼きぼくの主張である。

あっさり論破されて、「ひゃくとうばん」じゃなくて「ひゃくとおばん」であり、漢字で書くなら「百十番」だ、という答えが提示されるわけだが、これでスッキリしたかといえば、どうもモヤモヤは晴れないのである。

ふつう、110を「ひゃくとお」って言うか? 聞いたことがない。誰もそんな発音しない。誰だって、数え上げていったら「ひゃくきゅう」の次は「ひゃくじゅう」だ。警察の「百十番」のときだけ、なぜか「ひゃくとお」と読む。わかるかそんなもん。ずるい。不自然だ。ひねくれている。素直じゃない。

こうして、よく解らない大人の慣習によって、純真でいたいけな子どもの心も徐々にひねくれていくのであった。